お気に入りのグラスが割れた
そのグラスは、ケーキ屋さんで買った
ムースか何かが入っていたグラスで
自分ではあまり買わないような大きさだったので
いつの間にか気に入って毎日使っていた
昨日お皿を洗っているとき、
この小さいグラスの中に入れた水筒のフタが
ハマって取れなくなってしまった
それを力ずくで取ろうとしたら
パリンと割れてしまったのだ
お気に入りの食器やグラスが割れたとき
始めはショックが心の真ん中を走る
それでも陶器やガラスは割れるものだから
そういうものだと分かって使っている
でもやっぱり割れて使えなくなってしまうことは悲しくて
なんとか自分を納得させようと心がける
そしてこういうとき
私は、自分にこう言い聞かせる
「これが寿命だったんだ」
しかしそれは、
数時間前に味わったあの気持ちに似ていた
数時間前、私はカメの水槽を洗った
カメを水槽へ戻すと、カメは早速うんこをした
「立派なうんこをしたね」
攻めてもしかたのないことは
自分で自分を納得させるしかない
心に残るモヤッとした気持ちは
時間に取り去ってもらうしか方法はないのかもしれない
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