20代の頃からいつも頭の中でイメージしていた道があった
少し前まで私は高い場所から遠くの景色を眺めていた
そこにいる時はあそこへ行きたいと指差すことができたのに
そこへ向かうには、
まずその高い場所から下へ降りなければならなかった
下へ降りるとこれまで指差していた所が見えなくなった
どうやったらそこへ行けるのか時間だけがどんどん過ぎていく
もう、あの指を差していた方向へは行けないんだ
あきらめよう
そう思うたび、心の中でなにか丸いものが
コロコロ転がっているのが分かる
そして私はこの丸いものの正体を知っている
これは、10代のころ見つけられなかったもので
20代の終わりにやっと見つけたもの
これからもし、いつも見ていた景色を見ないようになったら
そして、この丸いものがなくなったら
わたしは指差す方向へ行くのをあきらめようと思う
これは、未来の自分へのお手紙です。
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