「 さようなら 」
初めての一人暮らし
その引っ越しの朝、家を出るときに
わたしは父に「お世話になりました」と言った
父はちらっとわたしの方を見て
表情も変えずに「さようなら」と言った
え?それだけ?
と拍子抜けした覚えがあるけど
その「さようなら」が忘れられない
時間が経つにつれ、
「さよなら」の後ろに言葉が続いて聞こえてくる
さよなら、気をつけろよ
さよなら、しっかりやれよ
さよなら、死ぬなよ
さよなら、元気でね
友達が夏の引っ越しを控えている
あれもたしか夏だった
良い旅立ちになりますように
* * * * *
0 件のコメント:
コメントを投稿