さっき、自動販売機で水を買った。
うちは、お小遣い制度のない家だった。
必要なものは買うから言いなさい。
と小学生から中学生にかけて言われていた。
しかし、必要なものはたいしてなかった。
えんぴつも消しゴムも家のそこら中に転がっていたし
兄姉が多いので、たいていお下がりで間に合ってしまう。
学校から帰ると、おやつはいつも仏壇に並んでいて
何人と遊ぼうが友達みんな分持っていっていいと言われた。
必要でないもの、要するに無駄使いはできなかった。
わたしにとって、自動販売機はあこがれだった。
お金を入れて、好きな飲み物が選べて、
ボタンを押すとごろんと音をたてて飲み物が出てくる。
喉が渇いたら水道の水を飲めばいいと言われ育てられたので、
自販機で飲み物が買えるチャンスはなかなかなかった。
そういう経験があったためか、
最近わりとなんでもないとき(そこまで喉が渇いていないとき)に
自販機で飲み物を買うと、贅沢をしている気持ちになっている自分に気がついた。
スーパーやコンビニで飲み物を買ってもなんとも思わないのに、
わたしにとって自販機は特別な存在になっていた。
仕事で疲れた帰りは、
なんとなく自販機で飲み物を買っちゃったりしている。
お金を入れて、好きな飲み物が選べて、
ボタンを押すとごろんと音をたてて飲み物が出てくる。
初めて自販機が置かれた当初は
みんなにとってあこがれの存在だったんでしょうね。
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