2015年8月13日木曜日

「 父がぼけた 」


父は今月で72歳になった

糖尿を患っているけど
母の厳しい管理のおかげで
現在も元気に毎日を過ごしている


先日久しぶりに実家に帰り父と話をしていた

あれ? と感じたことは

同じ質問を何度もしていたことと
そして、前回わたしが家に帰ったことを
全く覚えていなかったこと



父がいないところで母に聞いてみた

「お父さんぼけた?」

母は、
「あれはぼけているわけじゃなくて、
 毎日孫の世話で忙しくしているから
 頭がごっちゃになっているのよ」と言う


確かに、平日は兄の二人の子供の面倒をみていて
毎日くたくたになるらしい




昼ご飯のときの
薬を飲もうとしている父と母の会話



母「今お昼よ」

父「あ、もうお昼だっけ」

間違えて朝の薬を飲みそうになっていた父



やっぱり父はぼけてきたのだと思った









年をとると、だんだん夜が眠れなくなるという
父に聞いてみた「お父さん、夜寝れる?」


父「もう、ぐっすりよ
  だって、何にも心配事がないんだもん」



現役の頃、いつも恐い顔をしていた父
何をしているときでも
仕事のことばかり考えていた

でもそれは、私たちを食べさせる為に
一生懸命お金を稼いでくれていた時の顔



でももう、父の顔はすっかり変わった
孫の世話をしている時の父の顔は
笑顔を通り越してしまうほどのいい顔をしている



だからいいかなと思った
「もう心配事がないんだもん」
そう言った父がその顔で残りの人生を過ごせるなら
それでいいんじゃないかなと思った


こうやって、親は年老いていくんだな

と身にしみながら帰路についた


* * * * *

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