2014年3月18日火曜日

「 始めました。 」


冬の間から、冷やし中華が食べたくて仕方なかった。


冷やし中華もどきなら、なんとなく作れるけど、
冷やし中華は冷やし中華が出た時に食べたい。

そう思い、ただその時を待っていた。


先日、スーパーのラーメンコーナーに
一列だけ冷やし中華が並んでいるのを見つけた。


私の目は、輝いた。



それまでラーメンにしようと思っていた献立を、
急遽冷やし中華に変更し、そそくさと具材を買いそろえた。
そして、帰ってすぐに仕込みを始めた。


“まさか…まさか、こんなにも早く
  冷やし中華が食べられるなんて…”



具材はいたってシンプルで、
キュウリとハムともやしと薄焼き卵にした。

包丁を握る手から、卵を焼くフライパンから

“冷やし中華がもうすぐ食べられる!”

という胸の高鳴りが溢れ出ているようだった。



念願かなって食べた冷やし中華は、満足の味だった。
からしマヨネーズで食べたり、ラー油を垂らしたり。
一口一口味わって食べた。
終止そのよろこびは絶えなかった。

窓も開けて、春の風を感じながら食べていると、
だんだんと身体が冷え始め、爪が青紫色になっていた。



春の冷やし中華は、是非こたつでどうぞ。



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