冬の間から、冷やし中華が食べたくて仕方なかった。
冷やし中華もどきなら、なんとなく作れるけど、
冷やし中華は冷やし中華が出た時に食べたい。
そう思い、ただその時を待っていた。
先日、スーパーのラーメンコーナーに
一列だけ冷やし中華が並んでいるのを見つけた。
私の目は、輝いた。
それまでラーメンにしようと思っていた献立を、
急遽冷やし中華に変更し、そそくさと具材を買いそろえた。
そして、帰ってすぐに仕込みを始めた。
“まさか…まさか、こんなにも早く
冷やし中華が食べられるなんて…”
具材はいたってシンプルで、
キュウリとハムともやしと薄焼き卵にした。
包丁を握る手から、卵を焼くフライパンから
“冷やし中華がもうすぐ食べられる!”
という胸の高鳴りが溢れ出ているようだった。
念願かなって食べた冷やし中華は、満足の味だった。
からしマヨネーズで食べたり、ラー油を垂らしたり。
一口一口味わって食べた。
終止そのよろこびは絶えなかった。
窓も開けて、春の風を感じながら食べていると、
だんだんと身体が冷え始め、爪が青紫色になっていた。
春の冷やし中華は、是非こたつでどうぞ。
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