2014年12月5日金曜日
「 冬 と 雨 戸 」
「雨戸閉めといてあげたから」
冬、母は布団を入れると
雨戸も閉めてしまった
「もう閉めたの?」外はまだ明るい
でも、
寝るとき布団はフカフカで
部屋はやさしく暖かった
* * * * *
2014年11月28日金曜日
「 朝、顔を洗う 」
高校の美術の先生が
朝は顔を洗わない
朝、顔にいる菌は
いい菌だから
と言っていた
忙しい朝とか寒い朝は
顔を洗うのが億劫になる
こういう時
先生の誘惑が頭をよぎる
今朝気がついたのだけど
私はかれこれ一年くらい
朝、顔を洗っていなかった
そしてそのせいなのか分からないけど
ダラダラとした生活を送っている
今朝、顔を洗った
寒くて先生の言葉が
頭をよぎる
朝、顔にいる菌は
いい菌だから
私にとっては、いい菌という名の
シャキッとしない生活だった
冷たい水で顔を洗い
パジャマを脱ぎ捨てた
久しぶりに心から湧き出るものがあった
グッモーニング エブリワン
アイ ファイン
テーーーーーンキュー!!
* * * * *
2014年11月22日土曜日
「 暗 示 」
米を食べれば大丈夫
何となくそう思った
最近貧血気味だ
疲れが溜まってきているのかも知れない
根拠はないけど
米を食べれば大丈夫だと思った
大丈夫な気がするだけで安心する
米を食べよう
米を食べよう
* * * * * *
2014年11月15日土曜日
「 最近の、自分ダメなやつだなと思った瞬間 」
フタをちゃんとしめない癖が
仇になった時
フライ用の粉を
多く残してしまった時
歯を磨いた後に
みかんを食べてしまった時
まだあったはずなのに
忘れてしまった…
メモしておけばよかった…
とにかく
しょっちゅう感じる
自分ダメなやつだなぁって
* * * * * *
2014年11月8日土曜日
「 たそがれかも 」
この季節 冷たい空気をすいながら外を歩いていると
心の奥の方から 寂しさのような
懐かしさのような気持ちが 沸いてくる
夏が短いことを感じる瞬間でもあり
子供の頃 冷たい空気をすいながら
外で遊んでいた記憶が蘇る瞬間でもある
でも この寂しいようで懐かしい気持ちは
もっともっと昔のご先祖様のもっともっと前の
感情のなごりなのではないかと思った
今では想像もつかない暮らしをしていた頃
今年も楽しい夏だったなーなんてのんきなことを言う暇もなく
夏の間に食料を蓄え 暖になる枝を集め
冬支度を終えるのがちょうど今ぐらいの時期だったのかもしれない
そのころ生きていたご先祖様は
本来の自然な形で冬と向かいあっていたのだと思う
この黄昏れは 厳しい冬を乗り越え
生きぬいてきてくれたご先祖様のもので
私が生きてきた時間ではなく
もっと昔からやってくるものなのかもしれない
黄昏れている瞬間は
細胞に受け継がれてきた遠い記憶を
かすかに思い出しているからなのかもしれない
黄昏れと共に
私はご先祖様と生きている
あぁ 生きるって不思議
* * * * *
2014年10月31日金曜日
「 柿 」
私は幼稚園児のころ
仲の良い友達と人んちの柿をとって食べていた
「あそこの柿は美味しいよ」
あちこちの柿をとって食べ比べていた
柿は洋服で磨いて皮ごと食べた
渋い部分はかじってペッと吐いた
柿を食べながら何を話していたか覚えている
「ずっと友達でいようね、おばあちゃんになっても、天国にいっても」
ある朝母がこう言った
「あんた、○○さんちの柿食べてんの?」
私はマズいと思った
そういえば○○さんちは姉の同級生の家だった
怒られると思った
母は続けてこう言った
「○○のおばちゃんがね、
今度はピンポンおしてからとってねって言ってたわよ」
怒られなかった
むしろ母は「今どき柿泥棒なんてめずらしいわね」と笑っていた
それから柿泥棒はやめた
友達も小学校に上がると同時に引っ越してしまった
大人になってわかったことは、
「ピンポン押してね」と言ってくれたおばちゃんの優しさと
子供の頃の友達と過ごす時間はとても短く儚いということ
渋柿は干し柿にするとどうして甘くなるのだろう
思い出も年と共に渋い記憶が甘くなった
* * * * *
2014年10月17日金曜日
「 サザエさん 」
家にはサザエさん全巻があって
中学生くらいの頃はいつも
寝る前に二冊か三冊を本棚から取り出して
読みながら寝るのが日課だった
母は昔よく言っていた
「サザエさんと10万円だけもってお嫁にいったのよ」と
そのサザエさんを、母が私にくれた
母は数年前から、「死に支度」と言って
家の物を片付けている
「サザエさんもらってくれない?」
そう言われた時は
軽くもらうよと返事をしたけど
手元に届いたサザエさんが
丁寧に丁寧に段ボールに入っていて
本当に「死に支度」をしているんだと
初めて感じた瞬間だった
「サザエさんと10万円だけもってお嫁にいったのよ」
もう、その時代は終わったようだ
「冥土の土産があるから何にもいらないのよ」
きっとそんな風に言うに違いない
ちなみに母はとても元気に生きている
* * * * *
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